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2009年3月

少子高齢化社会への軌跡

 少子高齢化社会を迎えているわが国をみるにつけ、先ずは、戦後以来たどってきた出生数や合計特殊出生率などの数値をみておく必要があるのではないだろうか?

 戦後間もない1947年は約270万人の赤ちゃんが生まれていたのです。女性が出産可能な年齢を15歳から49歳までと規定し、それぞれの出生率を出し、足し合わせ人口構成の偏りを排除し、一人の女性が一生に産む子供の数の平均を求めた「合計特殊出生率」は4.32という値でした。この数値は人口の自然増、自然減を表す意味において重要な指標となる数値で、均衡の取れた数値を2.08といわれておりました。

 戦後の1940年代後半は第一次ベビーブームとも呼ばれ、日本史上最高の出生数を示していました。これが後にいう「第一次団塊の世代」を形成したのです。この「団塊の世代」という言葉は、堺屋太一氏の小説のタイトルであったことに由来しています。その後急速に出生数は減少し、1970年代初期にオイルショックの時代を迎えるわけですが、それにも拘らず高度経済成長に支えられながら団塊の世代が生み出した第二次ベビーブームを迎え2百万人の赤ちゃんが生まれております。4

 1980年代はバブル経済に支えられながら安定した合計特殊出生率を示しておりました。1987年には1.70を下回り、出生数の低下が問題視されるようになって来ました。1990年のバブル崩壊に伴い、この出生率は年々減少の一途をたどり2005年は最低値の1.26まで

に下がり、深刻な少子高齢化社会を迎えたのです。2006年は第二団塊世代により5やや持ち直し1.32と上がってはおります。日本の経済成長という背景と大家族形態から核家族形態への移り変わりも大きく影響しています。1950年に生まれた赤ちゃんの第一子の割合が27%であり、三子以上が4割を占めていたのが、2006年では第一子が48%、第二子37%、第三子12%と大きな変化を示しています。

 1990年代は大きな社会的背景が影響をもたらしていたともいえますが、高度経済成長に伴って女性の社会進出が堅著にみられ、男女の初婚年齢が高くなってきています。1947年は女性の初婚年齢は22.5歳と見合婚が主体でしたが、次第に恋愛婚へと移り変わり初婚年齢は上昇していきます。1970年代初期には、団塊の世代の影響も絡まって平均年齢は低くなりますが、その後、再び上昇していきます。6 この結婚年齢の遅延化も少子化現象には少なからずとも影響を及ぼしているのではないでしょうか?

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早すぎる性(中学生のセックス)

 これは2003325日に「リプロ・ヘルス情報センター」の相談メールが中学3年生の男子生徒から寄せられてきたものです。とても印象深い内容でした。

 ブログを公開するにあたり、早すぎる性のページを削除してしまいましたのでブログのほうに移転して残しておきたいと思い公開いたします。

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「はじめまして。はじめにお忙しいところメールしてすいません。突然ですけど、性交について教えていただきたいのですが・・。今、付き合ってる彼女がいます。まだお互い中三ですけど今度の旅行の時に性交をしようということになりました。けどまだ僕にはぜんぜん性についての意識がなく友達に聞いても面白半分でしか答えてくれません。性感染症になるのもいやだしあやふやな知識だけで性交はしたくないので、性交の前にしなくちゃいけないこととかするときに注意するべきことがあるなら教えてください。学校の先生にも聞けないので、どうか教えてください。お願いします。」というものでした。

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 中学3年生ということですね。その年代でしたらセックスをするということは、男性においても女性においても十分可能であり、してはいけないという根拠は全くありません。

 でも、女性側の立場から考えますと、思春期の真只中にいる状態で生殖器系は完全に成熟しているとはいえないのです。すなわち、性成熟期へまさに移行しようとしている時期なのです。そのような時期にセックスをすることは、腟はペニスを受け入れる状態にはなっていますが、成熟しきっていない状態での腟壁は傷つきやすいのです。

 また、腟内のディデルライン桿菌によってグルコースを乳酸に変えて酸性側に大きく傾け細菌などの侵入を防ぐといった腟自浄作用も未だ不十分な状態なのです。感染を受けやすい環境にあるといえます。

 さらに、子宮の入り口の子宮腟部は、ちょうど男性の亀頭の包皮が外側に剥けるといったような状態であり、そこも感染しやすい状態です。例えば、そのときに、パピローマウィルス(HPV)などが入り込んだりすると、将来、子宮頸部がんの原因となりうることになります。このHPV感染は若い女性の中で、クラミジア感染と同じように幅広い広がりをみせております。 

 例え、コンドームなどでそのとき細菌感染から防げたとして、腟内に生じた傷口より、腟自浄作用がしっかりしていなければ細菌感染を引き受けることもありえるのです。

 もし、クラミジアに感染したならば、お互い無症候で気付かずに感染が腟内から子宮へ、そして卵管へと奥深くクラミジアは進展していきます。場合によっては卵管が癒着を起こして卵管閉塞ということにもなりかねません。卵管が詰まってしまえば、将来、望む時に妊娠するということは不可能なことになります。

 例え、閉塞に至るまでに治療されたとしても、卵管内の円柱上皮細胞は傷がついてしまいます。上皮細胞の繊毛の働きが損傷し精子の輸送障害や受精卵の輸送障害を引き起こします。また、卵管内に卵子を受け入れるピックアップ障害を招くことも考えられます。子宮外妊娠や原因不明の機能性不妊症ということにもなりかねません。

 その頃の年代では月経周期がある程度確立していて安全日だから避妊をしなくても大丈夫といった考え方を持っていたとしたら、それも、大変、リスキーなことなのです。なぜかといえば、性交という行為が引金になって排卵が起きて受精、妊娠ということも報告されています。

 何も、性交だけがセックスを意味するのではなく、お互い身体を触れ合いながらの愛情の確認は十分できると考えます。

 以上のことをよく理解して、彼女のことを考え、お二人がどのような行動と取れば良いかをしっかりとお二人で話し合いをされてはいかがでしょう。

 未熟なうちでの性行為は、男性にとっては大きな問題を後々に残すことは少ないでしょう。でも、女性にとっては、様々な問題を残すことがあります。場合によっては、最も大切な「生殖の性」が失われてしまうことがあるのです。このことは男性が大きな責任が科せられているのです。

 特に、これらのことは、他の友達にも話し、中学生たちの性行動はどうあるべきかを、みんなと話し合える場を作り考え合っていただきたいものです。

 以上が私の回答事例でした。

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セックスをすることへの興味(関心)度

 なぜ、「セックスレス」カップルが増えてきているのでしょう?しかも、既婚女性の月に1-2回程度しかセックスをしない「妊娠低レベル群」のカップルを含めますと73.0%ととても高い割合となっています。このような値をみますと出生数が減ってきているのは、なるほどと頷けるところもありますね。

「セックスをすることに対して興味(関心)が失われつつあるの?」という思いが出てきます。今回の調査の中に「あなたは、セックス(性交渉)をすることに関心がありますか?(回答は1つ)」という設問があります。とても興味深い結果でした。

その結果を述べる前に、セックスの経験者を年齢ごとに平均値の分布図を描いてみました。対数近似曲線を描くと男性は、y=27.005Ln(X)+11.344の数式を取り、重相関(R2)0.8152と強く、女性においてもy=28.378Ln(X)+8.0389となりR2=0.9081と強い相関を示しておりました。男女共に殆ど同じで差がみられません。こ2の近似曲線からみて20歳ではおよそ50%が経験者と予測され、25歳では70%が経験者と推測することができるのです。性の営みは対等なのです。

セックスをすることへの関心ごとについて調べた結果をみてみましょう。その回答の選択肢は、次の5つでした。「①とても関心がある。②ある程度関心がある。③あまり関心が無い。④全く関心が無い。⑤嫌悪している。」という選択です。①のとてもを2点、②のある程度を1点、③のあまりを‐1点、④の全くを‐2点、⑤の嫌悪を‐3点とスコア化して重みを付けて評価してみました。

男性全体では1.06±0.89点に対し女性は0.23±1.15点と大きな開きがみられ、男女間に有意差(p<0.001)を認めています。これを20歳代、30歳代、40歳代と年代ごとにみますと男性は30歳代が最も高く、女性は20歳代でした。いずれ年代においても女性の方に関心度が低いといえますね。40歳代の女性では-0.04±1.13点と平均値がマイナス点を示していました。

未既婚別でみますと男性は殆ど同じ値でやや既婚男性が高い値でした。女性は、結婚することによってセックスへの関心度が低下しているのです。この既3婚女性を35歳未満と35歳以上で分けて比較してみますと図には示していませんが、35歳未満(n=131)では0.49±1.06点と全未婚女性の平均スコア0.36±1.20点よりも高いのですが、35歳以上(n=336)になりますと0.02±1.11点と限りなく0点に近づいていたのです。

このセックスへの関心度スコアに表れた数値の持つ意味は、「なにを語ろうとしているのか」今一度、考えてみなければならないようですね。

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女性の性と健康について

女性の性と健康について

はじめに

今日の日本は、少子高齢社会化現象としまして深刻な問題として抱え込んでおります。国は喫緊の課題として、様々な視点から検討を加えその対策に応じているところのようです。その一環として昨年に行われました厚生労働省科学研究の中で「第4回男女の生活と意識に関する調査」が報告しております。

私は「リプロ・ヘルス情報センター」と致しまして、その中の「性行動と避妊に関する意識と実態について」というテーマで解析を試みその結果を報告いたしました。その中には、今までは気づかなかった様々な問題点や男女の考え方に驚かされました。ここでは、その気づいた視点について少しずつ述べて皆様とともに考えていきたいと思います。

さて、今回は少子社会を考えていく中で基本的なこととして夫婦生活があります。その調査の中に最近1ヶ月間の性交頻度を問いかけております。それによりますと既婚女性448名の中で月一度も無い、いわゆる「セックスレスカップル」が186名(41.5%)と4割を越えているのです。月12回という妊娠低レベルカップルは1141名(31.5%)でこれをあわせると73.0%という驚くべき数値が示されていたのです。これを35歳未満と以上とに分けてみますと、図ようになり、妊娠低レベルを含めた35歳未満の既婚女性は62.1%、35歳以上では77.2%という数値になります。このことは産むことへの基本的な行動に問題が隠されていることではないでしょうか。

 

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