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2010年2月

初めてのセックス(パート2)

昨年の6月4日にこの「初めてのセックス…」をアップして8ヶ月が過ぎようとしています。それは2009927-28日にパシフィコ横浜で開催されました「第50回日本母性衛生学会学術集会」にて「初交年齢からみた男女間の性意識」と題しまして発表したために少々お休みさせて戴いたのです。そこで今回は、その2と致しまして学会で発表致しました一部を紹介したいと考えます。

その内容は、厚労省の「全国的実態調査に基づいた人工妊娠中絶の減少に向けた包括的研究」の一環として行っています「男女の生活と医に関する調査」の解析結果に基づいたものです。

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初交年齢が明記されていた男女1,129名が対象で、うち女性618名で平均年齢19.1±3.1歳、13歳から38歳で、男性は511名、18.8±3.1歳、12-34歳と男女間に有意な差は認めませんでした。その初交年齢を未だ高校生とでもいえる17歳以下のグループと高校を卒業して20歳未満の成人に至っていない18-19歳のグループ、そして成人となった20歳以上のグループの3群に分けて比較してみました。それを3群の構成比で示したのが右に示しますスライドです。男女間において殆ど違いがみられていないものの、わずかな違いとして女性は20歳以上群が男性に比べ2.7ポイント高く、その分男性が18-19歳群と2.7ポイント高いという結果でした。

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その初交時の避妊をしたか否かについてみますと、避妊をしたというのが男性は71.1%であり、女性は62.2%と7.9ポイント女性が低く有意差を認めております。避妊をしなかったのは男性24.6%、女性26.0%と1.4ポイント女性が上回っておりましたが男女間に有意差は認めておりません。避妊のことについて「覚えていない」と答えたのが男性4.3%に対し女性11.8%と7.5ポイント女性が多く有意差を認めておりました。しかも、初交時の年代区分からみますと女性において殆ど違いはありませんでしたが、男性は初交年齢が遅くなるにつれ避妊をしているのが高値となり、避妊未実行が低値を示しており年代間に有意差を認めております。この違いはなにを意味しているのでしょう?

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それは行われた避妊法に原因があったのです。女性がイニシアティブを取れる「低用量ピル」や「オギノ式&基礎体温法」というようなものではなく、男性が主体となる「コンドーム」や「腟外射精法」(女性にとって避妊法とはいえない)だったからです。男性任せの避妊法でしかなかったための理由だったと考えられますね。

このような初めてのセックスのときに避妊をしなかった人たちは、「妊娠してもよい」と思っていたのでしょうか?避妊をしなかった人たちの理由について「妊娠しても良いと思った」、「妊娠しないと思った」、「避妊具がなかった」、「避妊をするのが面倒だった」、「避妊について知らなかった」、「避妊のことを言いだせなかった」と6項目についてそれぞれの回答項目から全体をとおしての出現率について検討してみました。

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先ず、「妊娠しても良いと思った」と考えていたのをみますと男性は9.0%に対し女性は19.0%と10ポイント女性が高く有意差を認めました。しかも20歳以上での女性は36.1%と17歳以下の女性との間に統計学的に有意差を認め、初交年齢が遅くなるにつれて多くなっていました。男性も女性ほど高値ではありませんが高くなっており、「妊娠」イコール「結婚」という意識が垣間みられるようですね。特に、女性にそれが強く窺われるということでしょうか!

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次に「妊娠しないと思った」と答えたのは、男性で10.7%、女性12.0%と女性が1.3ポイント高いものの男女間に有意差は認めませんでした。初交の年代区分からみますと初交年齢が遅くなるにつれ低くなっており、特に女性の17歳以下と20歳以上の間に有意差を認めたことから、「セックス」イコール「妊娠」という意識が生まれてきていることが窺われますね。逆に17歳以下の女性においては「妊娠」という意識が低いということが指摘されますね。

初交時にとられた避妊法の90%前後が「コンドーム」で6っただけに、「避妊具がなかった」と回答したのは、男性36.9%、女性21.5%と男性が高く有意差を認めております。初交年齢区分からみますと男性は20歳以上では44.8%と半数近くとなり、女性では14.8%と低値を示していたことから、セックスにおける避妊具としての「コンドーム」の位置付けの違いが大きく異なっているように思われました。

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「避妊をするのが面倒だった」と回答したのは全体からみて低いものの男性10.7%、女性2.5%であり男女間に有意差を認めており、避妊法の主体がコンドームということから考えますと、そのセックスが女性にとって望まない妊娠ということを思うなら「女性が主体となれる避妊法」の位置付けとしてなにがあるかをしっかりと考えておかなければならないといえるのではないでしょうか?

このことを明確に示しているのが「避妊について言いだ8せなかった」という理由ではないかと考えます。当然のことながら女性が有意に多く、どの初交年代区分においても、そうであったように女性が主体となれる避妊法を常に念頭に入れておくことが非常に重要なことではないでしょうか!

前回の「女性の低用量ピルに対する認識」で述べましたように女性が自ら主体となって行える避妊法として「低用量ピル」の存在の意義は極めて大きいのです。低用量ピルについて、未婚女性は「低用量ピルを使用している」が6.4%、「是非使用したい」の14.9%を合せますと21.3%とピル使用の認識は高まってきております。自らが「望む妊娠」、「望まない妊娠」をコントロールできることです。初交時においても女性にとって大きな役割を果たしてくれます。

それは1980年代のフランス人女性でもみられていたように、必ずしも女性はパートナーにピルを服用していることを告げていないことが示されていました。それは自分の身体は自分で守るという考えです。そして自分のことを考えてくれるなら、しっかりとパートナーに「私のことを考えてくれるなら、コンドームでしっかりと避妊をして望まない妊娠から私を守ってくださいね」とはっきりといえることです。

このことは、次のアドレスをクリックして参考にしてください。

http://homepage3.nifty.com/m-suga/overseascontra.html 

低用量ピル服用の意義は、その他にもあります。大人になる性成熟期までの間は、とかく月経は不順になりやすいものです。月経痛や不正性器出血などもしばしばみられることがあります。これは未だホルモンバランスが整っていないことのあかしでもあります。低用量ピルは、このようなホルモンバランスの乱れを整える働きがあるのです。そのような意味合いで「低用量ピル」を服用している女性も増えてきております。

この「初めてのセックスパート2)」をとおして「避妊法」のことや「低用量ピル」のことを今一度考えてきてはいかがでしょう!

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