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2011年7月

ドライオーガスムって何だ!

『ドライオーガスムって何だ』という言葉が目に飛び込んできた。それはサンデー毎日の724日号の表紙にあった。その本誌には『射精を伴うウエットオーガスムに対し、それなしに絶頂感を得られる「ドライオーガスム」が最近、口の端に上るようになった。「射精するより気持ちいい」とも言われるが、勃起力の衰えた中高年の福音となるのか』と始まっている。(全文は本誌を読まれてください)

このドライオーガスム(Dry-orgasm)は、『The Complete Dictionary of Sexology』にも取り上げられており、非病態的なもので思春期前や高齢の男性にみられ射精を伴わずして起きるオーガスムと記載されている。病態的なものとして、「逆行性射精」というものがあり、射精感はあるものの精液が射出されずに逆行して膀胱内に至ることがある。後に尿と一緒に排出されるので身体に害を及ぼすというものではない。問題なのは精液が腟内に射出されないため男性不妊として深刻な影を残している。

はたしてドライオーガスムは精液量が低下してくる男性に福音をもたらすのだろうか?

そもそも、女性には射精という現象が起こらないと考えられていたので女性の感じるオーガスムはドライオーガスムと云えよう。でも、なぜこうもオーガスムということが話題となるのだろう。

そこには、男と女の性が交わって行う行為であり、男は射精という現象で快感・極致感を得ることで、これをオーガスムと考えることは意図た易いことだといえよう。でも、女性は『オーオ』とか『いく、行く』といった嬌声を発して、時には四肢を硬直したり、痙攣をみせることがある。これを女性のオーガスムというのだろうか。男性にはよくわからない。様々な憶測が介在している。そこに『オーガスムの謎』があるのだろう。

『オーガスムの謎』については、リプロ・ヘルス情報センターのホームページを参考にして戴きたい。

http://homepage3.nifty.com/m-suga/repro-story2.html 

さらに、『精子の闘い』も参考にされると良く理解できると思う。

http://homepage3.nifty.com/m-suga/repro-story.html 

古代ギリシャ人のオーガスムの捉え方

オーガスムということについて分り易く書かれた文庫本がある。「ヴァギナ 女性器の文化史」筆者はC・ブラックリッジ女史(藤田真利子訳)で河出書房新社から出版されている。そこで古代ギリシャの医学者ガレノスの言葉を引用している『ヒポクラテスにならって、オーガスムを個体が生殖液を放出してしるしだと考え、生殖液とは子どもを受胎するために女性と男性の両方が出す精液である』と述べている。さらに『もしオーガスムに達しなければ、女性は精液を放出せず、したがって受胎は起こらないことになる。つまり、この理論では、男女双方の生殖器と快感が生殖に重大な役割を持つと見ていたのである』と記載されている。古代ギリシャ時代からオーガスムの概念は持っていたのである。しかも子孫繁栄には欠くことのできないものという考えである。

女性も射精する?

男性の精液量は3ml前後と一般的にいわれており、精嚢腺からのものが70%、前立腺由来が30%で構成されている。前立腺液は抗菌作用を持ち精子の運動性を促進することで知られている。この前立腺が女性にもあるということがわかってきたのだ。尿道を男性同様取り囲んでいる。したがって尿道周囲腺若しくはスキーン腺とも呼ばれ、そこから女性も興奮すると分泌物を射出することが明らかにされてきたのだ。総ての女性がということではない。その量も数滴からコップ2杯分までと様々とあるようだ。このことは、グレーフェンベルグ(Gräfenberg)が「女性のオーガスムにおける尿道の働き」(1950年)に発表したのに始まる。この存在がGスポット言葉の由来だ。

興味ある方は ”The clitoris.com” を参考にされたい。

http://www.the-clitoris.com/f_html/arouse_indx.htm 

オーガスムの身体反応

彼女の引用をさらに続けてみよう。『オーガスムが起きたときの特徴は子宮、子宮頸、ヴァギナ、尿道、前立腺、肛門の筋肉が速いリズムで力強く収縮することとみなされている。…0.8秒間隔で4回から8回という報告もある。男性では、尿道、前立腺、睾丸(精巣)、肛門の筋肉が0.8秒間隔で3回から4回収縮することが報告されている』とある。このことは『オーガスムの謎』にも述べている。

生殖器系の筋肉の収縮のみならず、身体全体を駆け巡っているのだ。脳波にも現れてくる。レム睡眠時によく表れるシーター波の出現だ。瞑想状態になってくるという。女性は一度ならず複数回、その快感は体中を駆け巡るという。ここにも盲目の預言者、テイレシアースの話が語られている。『性の快感が10とすれば、女性9に対し男性は1にしか過ぎない』というものだ。男性も複数回オーガスムを得たいというのであれば、射精をコントロールできるようになることだと様々なところで語られている。それがドライオーガスムに繋がるのだろうか。

真のオーガスムは?

女性には「クリトリスオーガスム」、「腟オーガスム」、「G-スポットオーガスム」や「ポルチオ(子宮腟部)オーガスム」と様々な表現でオーガスムを体得した、できると語られているが、真のオーガスムとはなんなのだろうか。

そもそも、セックスとはミラーリンク(鏡像効果)。お互いの反応を見ながら、二人で悦びを分かち合うもの。そこで『性の三側面』があげられる。男と女の性が交わる時に得られるものに、お互いが性を通して得られる悦び、『快楽の性』が先ず挙げられよう。これをオーガスムともいえるのかもしれない。しかし、②お互いが真に一つになれたという一致感、心に絆を強める性『連帯の性』が生まれる。③その結実として『生殖の性』がもたらされるものと考える。たとえ『生殖の性』に終焉を告げた中高年においても、極致感(快楽の性)と一致感(連帯の性)の両立が重要なことではないだろうか。

詳細は「サンデー毎日」の724日号をご一読戴きたい。

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