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『高齢者の性』 超高齢社会を豊かに生き抜くために…

初夏の昼下がり、古い団地の中にある公園をみていると歩いているのはお年寄りが多い。その多くは女性のお年寄りだ。なかにはステッキを持って足元が危なっかしい姿も目につく。なにか痛々しさを感じるが、男のお年寄りだ。孫を連れて歩いている好々爺もいるが、その動作には活き活きとした張りを感じるのは私だけだろうか。

いま、我われは少子高齢社会にいます。しかも超高齢社会とまで言われる時代となっています。65歳以上の高齢者人口が1990年では10%程でしたが、200015%となり、2012年では23%程にまでにもふくらんできています。団塊の世代が高齢者人口に入り込んできたのです。これからも高齢者人口は増え続けると云われています。

高齢者人口2,958万人のうち男性は1,264万人、女性1,693万人と男3に対し女4の割合になっています。平均寿命は男性79.6歳、女性86.4歳と女性が6.8歳ほど長生きをしていることになります。65歳以上の世帯数をみますと2,013万世帯で全世帯の42%にものぼっています。そのうち夫婦のみの世帯599万世帯(30%)、単独世帯463万世帯(23%)、三世代世帯は18%と少なくなってきています。高齢化社会と云われていた1980年では夫婦のみが19%、単独世帯11%、三世代世帯50%でしたので家庭の構成と機能は大きく異なってきた超高齢社会といえます。夫婦二人でお互いに支え合いながら余生を楽しんでいくことになり、なかには連れ合いを失う方も増えてきています。生殖性で繋がっていた半世紀よりも、さらに長い夫婦生活を送ることになります。そこには「連帯の性」でお互いの絆を深めあうことがこれからの「生き甲斐」となり、それを確かめ合い余生を実りあるものにしていきたいものです。

ここでは高齢者の「性」について焦点を当て種々考えてみたいと思います。

WHO(世界保健機構)や国連の定義によりますと、

65歳以上人口の割合が 7%超で「高齢化社会」(日本は1970年)

65歳以上人口の割合が14%超で「高齢社会」  (日本は1995年)

65歳以上人口の割合が21%超で「超高齢社会」(日本は2007年)

        とされています。

 


少子高齢社会とは、いつ頃から懸念されていたのでしょう?合計特殊出生率が2.0を下回ってきた1970年半ばに始まります。高齢化社会とは1970年頃当時65歳以上の人口が総人口に占める割合が、7%を超えてきた場合と考えられていました。1970年の65歳以上をみますと男性で6.3%、女性7.8%、合わせて7.1%でした。高齢化社会の到来といわれてきたのです。1980年に合計特殊出生率は急速に低下し、1995年では1.42となりました。この時の「高齢社会」は国際的定義によりますと1421%を占めると指摘されており、1995年には14.5%でしたので、高齢社会の到来となったのです。でも更に、2007年頃には合計特殊出生率は1.3と底をつき、高齢者人口も21.15%を超えて「超高齢社会」と打出されてきたのです。

 

高齢化の現状と将来像についてみてみましょう。2005年の総人口は約13千万人で65歳以上の高齢者は26百万人と20%でしたが、2025年では総人口が約1千万減り12千万人となり高齢者人口は30%を超え、2055年になりますと総人口は1億を下回り9千万人となり高齢者人口が40%を占めるようになってきます。しかも75歳以上のお年寄りが4人に1人と推定されているのです。

 この推定値をみますと少子超高齢社会は、これからの次世代に何を語り継いでいけば良いのか強く考えさせられます。

2.高齢者の性を考えよう

 少子超高齢社会のなかで、私たちは様々な問題を抱えています。そこで高齢者の性について考えていきたいと思います。高齢者とは、一般的に65歳以上をさしていますが、ここでは「性」の視点から考えますので50歳以上について捉えていきたいと思います。更年期の項で述べましたように女性は45歳頃より卵巣の機能低下により月経周期が乱れ、50歳初めに閉経を迎えます。45歳頃から55歳の約10年間を更年期と呼んで、そこで訴える不定愁訴を更年期障害と言い多くの女性を悩ませます。また、閉経を迎えた女性は妊娠の恐れから開放されセックスを謳歌するということも反面指摘されています。一方、男性は50歳を越えていきますと早朝勃起の消失などによる性機能の衰えを感じ始める時でもあり、性交能力に自信が揺らぎ始める時でもあります。

 団塊世代が結婚年齢に入った1970年代は、高齢者の性は「嫌らしいもの」「汚らしいもの」と捉えられていました。特に、女性の間では閉経とともに「性の終焉」と多くの方が捉えていたようです。男性の間ではやがて「枯れていくもの」と捉えていた節があります。しかし「高齢化社会」から「超高齢社会」へと移りゆくにつれ高齢者夫婦のみで暮らす世帯が増えてきております。「高齢者の性」がクローズアップされてきているようです。

2-150歳以上の人口はどうなっているのでしょう?

 超高齢社会といわれている今日50歳以上の人口はどれくらいになっているのでしょうか?2012年の厚労省の人口動態統計資料によりますと男性は25.8百万人、女性で30.5百万人となっています。女性の方が約5百万人多いことがわかります。そして女性人口の約半数近くが50歳以上ともいえます。2


 

それを約50年前の1960年の人口に比べますと男女とも50歳以上が3倍強に増え半数近くとなっていることがわかります。まさに少子超高齢社会が構築されてきたと云えます。

2-2.現在の平均寿命は…

 平均寿命の年次推移を追ってみますと、戦後間もない1950年では男性58歳、女性61.5歳でした。以降、1960年に始まった国民皆保険制度などによって急速な医療の発展により健康増進が図られ、寿命が延びて2010年では女性が86.4歳、男性79.6歳となり世界最長寿国となってきました。女性の平均閉経年齢が51歳ですので、1950年では閉経からわずか10年ほどだったのが、今では「生殖の性」を閉ざしはするものの35年間も第二の人生を送ることができるようになってきました。信長が好んで舞を舞った『人間(じんかん)五十年、化天(かてん)のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり、一度生を享け、滅せぬもののあるべきか…』、人生はもはや50年ではなく、80年の時代となってきたのです。3


 

人は一人ではいき難いものなのです。必ず対を為していく生き物なのです。男と女という一つの対なのです。男と女が、そこに生き続ける限り、「性の営み」を欠かすことはできません。妊娠を危惧することのない「性」として、お互いの絆をたかめる「連帯の性」、そして歓びを分かちあう「快楽の性」となって対等の関係となり、お互いが生き甲斐を持ちながら日々を過ごすのです。

 

2-3.なぜ、長寿国に…?「健康管理の徹底」

 1961年に国民皆保険制度が導入されてから健康増進が推し測られるようになり、若くして亡くなるケースが減ってきたことは云うまでもありませんが、この長寿国の背景にはこの50年の間に乳幼児死亡の激減があります。それに加えて生産者年齢層の死亡例が抑えられてきたのです。4


 

国民健康保険や社会保険制度の導入で徹底した国民の健康管理がなされてきました。図では年齢階級別にみた死亡者数の構成比をみたのですが、2010年のグラフをみますと50歳未満で死亡する割合が極端に抑えられています。国を挙げての徹底した健康管理が行われてきたためと容易に想像ができると思います。そこには1955年から1973年の高度経済成長期と相俟って職場環境や生活習慣の著しい改善、食生活、栄養の改善などによって乳幼児や青壮年の死亡例が大幅に低下していたのです。

 

50歳を過ぎると加齢に加えて様々な疾患が健康を損ない多臓器疾患を抱え込むようになります。老化とともに健康損失による死亡例が増えてきます。1960年時をみますと男性では70歳前半にピークを示し、女性は70歳後半と80歳前半が続いています。60年時の65歳の平均余命が男性76.6歳、女性79.1歳となっていました。50年を経た2010年では男性が80歳前半にピークを取り、女性80歳後半にピークを作っています。10歳程伸びているのが読み取れます。

 

死亡年齢のピークをみますと1960年と2010年も同じように男性よりも女性の方が5歳ほど遅れています。生物学的見地からみまして女性の方が長生きできるようになっているためです。

 

 

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